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顎関節症とは  丸山剛郎の論文
アプライド・キネジオロジー
アプライド・キネジオロジーとは、body languageつまりヒトの身体から自然と発せられる反射情報は、決して嘘をつかないという事実のもとに、ある筋肉を検査対象として、身体の各部の機能を評価する方法および学問であり、機能的な神経学的評価として筋検査を応用するシステムをいう。
アプライド・キネジオロジーは、1964年、アメリカ合衆国ミシガン州デトロイトのカイロプラクターであるGeorge Goodheartが、ある筋肉がこわばっていると、その拮抗筋が弱くなっていることを発見したことがきっかけとなった。彼は、筋肉のしこりをもみほぐすことで弱かった拮抗筋を強くできることを治療に応用を始めた。その後、研究が進むにつれて、単に弱くなった筋肉を強くするだけでなく、骨格系などの身体構造、ホルモンなどの化学物質、心理状態の変化からも、筋力が弱くなることが明らかとなり、また、弱い筋肉を見つけて、骨格、内臓などの関連部位の診査や直接的な調整に応用できることがわかってきた。
すなわち、神経筋機能は、構造的、化学的、そして精神生理学的調整機構と密接に関わっている。アプライド・キネジオロジーの方法論は、主としてこの神経筋機能に関係している。アプライド・キネジオロジーの起源は、カイロプラクティック、すなわち脊柱調整療法の分野にあったが、その後、多角的な諸専門分野における臨床と関連していた。
下顎位
丸山咬合学における正しい下顎位とは、全身の健康によい下顎位を言う。
すなわち、下顎の正しい位置とは身体の中心軸に対して、前後的、側方的に一定の正しい位置にあり、さらに、身体の中心軸と地球表面に対して、前後的ならびに側方的に正しい位置(ピッチングとローリングがない)である。
この背景を簡単に述べると、ヒトは直立二本足歩行を行うこと、そして、下顎は地表から最も遠いところにある身体のバランサーである。下顎の位置異常は頚椎のアライメントの異常を招き脳への血流障害を招き、脳活動の抑制を招く。一方、下顎の位置異常は不良バランサーとして働き、身体の姿勢不良を招き、異常筋緊張から種々の身体症状を招く。これらの姿勢不良や筋緊張は内臓諸器官の形態と機能への悪影響を及ぼすと考えられる。
全身健康咬合
全身健康とは、身体に対する良い下顎の位置(顎位)になると考えられます

では、下顎がズレていない人はどの程度いるのでしょうか。本当にズレていない人は人口のほんの1%にすぎません。後の99%の人はズレているのです。そのズレている人たちには全てこの治療が必要かというと、そうではありません。痛みや悩みを自覚している人を治すのです。自覚症状として訴える人もいればそうでない人もいます。そうでない人の場合にあなた方スタッフが患者の状態を確認したり話の中から関係しそうな症状や悩みをつかみ取る必要があります。

◎では、なぜ下顎のズレが起こるのでしょうか。

1.直接的な原因
 (1) 歯科的な原因によるもの
  a. かみ合わせの不具合
  b. 現在の歯科治療の間違い
 (2) 頬杖や枕によるもの
 (3) むち打ち症の牽引治療によるもの
 (4) 全身の身体的な偏位から生じるもの

2.間接的な原因
 (1) 遺伝的要因
 (2) 後天的要因
  a. 生活環境に関するもの
  b. 生活習慣に関するもの
これらの諸要素への対応が悪いと下顎のズレが起こる原因となります。

◎ では、全身の健康に良い下顎の位置(顎位)とはどのような位置でしょうか。

あごずれが体全体のバランスを崩す
下顎の位置(顎位)は、歯科的には従来の咬頭嵌合位、安静位、中心位、などいろいろ存在しています。丸山咬合学(全身健康咬合)は、顎の位置は歯や顎関節のような顎や口の局所を対象にしたものではなく、全身との関係から下顎の位置と捉えたものです。この全身との関係を捉えた下顎の位置というものが、全身の健康と大きな関係を持っています。
丸山剛郎大阪大学名誉教授(日本咬合学会理事長)は、永年の研究と臨床経験から、全身の健康に関係する下顎の位置、すなわち「全身の健康にとって良い顎位」と言うものが存在することを明らかにし、これを「全身健康咬合」と名づけています。「全身の健康にとって良い顎位」は、身体全体の形態と身体の機能との調和から生まれるものである、と言うことが多くの研究から明らかになりました。すなわち、この下顎の位置は身体全体の形態と機能が調和のとれたものであり、その下顎の位置のもとでは、身体全体の健康が得られるものです。
「生体の健康にとって悪い位置」と言うのは、身体全体の形態と機能が調和していません。すなわち、全体のバランスがとれていないものです。そのため、身体全体の形態を崩し、身体の様々な箇所に無理を生じ、破錠をきたすことになります。例えば、顎は顎の関節を介して筋肉や靭帯で頭部に固定されぶら下がっているもののため、下顎の位置が正しくないと頭の位置のズレや傾きを生じます。頭の位置のズレや傾きはそれを支えている頚椎の配列形態(アライメント)の異常を生じさせることになります。頚椎の配列形態の異常は、その下部の胸椎、腰椎、仙椎へと広がり、脊椎全体の配列異常を生じさせます。そのため、姿勢が悪くなり身体全体のバランスを崩します。すなわち、身体の形態的偏位を生みこれが全身の様々な症状を生じさせます。正しい下顎の位置に是正することにより、生体の形態的偏位が修正され、不定愁訴が改善・消失し、健康が得られます。「生体の健康にとって悪い位置」は、身体の機能とも調和していないものです。下顎の位置が正しくないと身体の正常な機能を阻害し、内臓疾患をも含めた様々な症状を呈することになります。
下顎の位置が調和のとれた身体の形態と機能にとって極めて大きな意義を持っていることを認識して頂きたいと思います。たかが「下顎の位置」とあなどってはいけません。ズレた下顎の位置を「全身の健康に良い下顎の位置」へ是正すること(丸山咬合療法)によって、多くの病気(不定愁訴)が治ります。


◎ では、どのような不定愁訴が治るのでしょうか。 正常なあごは健康な体をつくる

それは、全身健康チャートに一覧となっていますので見て頂きたいと思います。全身健康チャートは、丸山剛郎大阪大学名誉教授が、患者さんの顎のズレを治すことによって、改善・消失した様々な症状の一覧です。この全身健康チャートを詳細に読み、考えることによってその患者さんの現在の健康状態と顎のズレとの関係が把握できます。注意して頂きたいのは、このような症状が全て下顎の位置を治すことによって治るわけではない、と言うことです。例えば、医科的に原因の存在する場合にはまず病気を治すこともしくは検査することをお勧めして下さい。患者さんにはあくまでも、「患者さんの顎のズレを治すことによって、改善・消失した様々な症状の一覧です。」とお伝え下さい。

(添付書類—全身健康チャート参照)

下顎の位置の診査・診断において、全身健康チャートによる全身の症状の診査・診断から始まるのは、その患者さんの全身状態を正しく広く把握するためです。すなわち、患者さんがどのような全身症状を持っているのか、患者さんはどの部分とどの部分に問題を持っているのかを知るためです。顎のズレが患者さんのどの部分に主に障害を及ぼしているのか、そしてそれらの症状と顎のズレとの関係を知るためです。顎のズレがもたらす問題点は、患者さんの訴える症状と関係が見られるものです。さらにまた、顎のズレを持っている場合に、男性・女性それぞれ特徴的な不定愁訴を持つことが多いものです。例えば、肩凝り、生理痛、便秘、手足の冷えは、顎のズレのある若い女性に見られる四大症状です。

さらに、この全身健康チャートは、定期的に、例えば1ヶ月ごとに患者さんの症状の変化を把握するために極めて重要です。症状にはすぐ消失するものと改善はするが消失にはやや時間がかかるものとがあります。


◎ では、どのような診査を行うのでしょうか。
まず、先程の全身健康チャートによって患者さんの全身健康状態が把握できたら、ついで丸山剛郎大阪大学名誉教授が永年にわたって考案・改定してきた「咬合と全身の健康・診査・診断チャート」に基づいて顎口腔系の詳細な診査を行い、続いて全身状態を診査します。

その診査に基づく診断
「全身健康 診査・診断チャート」にある様々な診査に基づいて、全身の健康にとってよい下顎位の診断を行います。正しく顎位の是正が行われたならば、これらの不定愁訴、特に種々の筋肉痛などは即座に改善されます。このことが逆に顎のズレの診断の正しさをも検証することになります。このような顎のズレの是正のために考案されたのが、TM式(丸山式)バイトスティックです。TM式(丸山式)バイトスティックとは、顎が様々な方向へズレていると診断された時、そのズレた顎を正しい位置に矯正し、保持するために用いるものです。このバイトスティックは顎のズレに対応して用いるようにその形や大きさには数種類のものが工夫されています。
顎のズレに合わせて各種のバイトスティックを用いて診断に基づいて得られた顎の位置を正しい位置に保持します。顎が正しい位置になっているかどうかの確認は次のことから行うことができます。
  • 顔貌、姿勢、身体の三軸(前後、左右、ねじれ)のズレなどが修正されます。すなわち、顔貌がよくなり、姿勢が改善され、身体の三軸のズレも是正されます。
  • 様々な不定愁訴が改善されます。すなわち、患者さんの訴える主たる症状が改善されたり消失したりします。
  • 筋触診によってみられた筋の硬直や疼痛が改善されます。
  • アプライドキネジオロジーによって下顎の位置が正しいことが検証されます。
丸山咬合療法の大きな特徴は、TM式バイトスティックによって顎の位置を正しい位置に治すと、即座に上記のような現象が起こることです。これが他の咬合治療と異なるところです。

◎ では、このように下顎の位置を正すことによりどのような事が起こってくるのでしょうか。
身体的問題に対しては
 ① 筋肉に効く
  ⅰ)筋の硬直がとれる
  ⅱ)筋の前後左右のバランスが良くなる
  ⅲ)筋力がフルパワーになる(筋の最大筋力を発揮できる)
 ② 血管系に効く
  ⅰ)血流が良くなる
  ⅱ)心臓のポンプが強くなる
  ⅲ)筋の硬直がとれ血管の圧迫がなくなる
 ③ 神経系に効く
  筋肉に圧迫されているのがなくなり楽になる
脳関連症状に関しては
 ① 免疫系に効く
  免疫力の強化につながる
 ② 自律神経系に効く
  ⅰ)いわゆる自律神経失調症にも効く
  ⅱ)脳の若返りが起こる
 ③ 内分泌系に効く
  ⅰ)ホルモンバランスが良くなる
  ⅱ)妊娠したり生理痛が良くなったりする
  ⅲ)血糖値が正常になる

◎ それでは、TM式バイトスティックによって下顎の位置を正しい位置に治してから、どのように治療を行うのでしょうか。
治療には、マンディブラー・ポジショニング・アプライアンス(下顎位矯正装置)を用いて正しい下顎の位置を保持します。その治療過程は次の通りです。
  • 健康によい下顎の位置を診査・診断し、下顎をバイトスティックを用いて是正します。
  • この是正された下顎の位置において、種々の症状が軽減・消失することを確認し、アプライドキネジオロジーにて検証します。
  • この正しい下顎の位置を記録します(咬合採得)。
  • MPA(現在は原則MFAである)を製作し装着します。
  • MPA(MFA)装着後、ほぼ月に1回、MPA(MFA)の調整を行います。月1回調整を行わなければならないのは、MPA(MFA)装着中においても、患者さんは元の下顎の位置へ無意識に下顎を戻そうとしてMPA(MFA)を磨耗してしまい症状が再発してくるからです。
  • このような調整を繰り返し(平均6ヶ月)、MPA(MFA)を調整しなくても症状の改善・消失がみられるようになれば治療は完了とされます。
  • その獲得された顎位で、そのまま治療完了にする場合もありますが、その場合は、また元の位置に戻る可能性も考えられるので定期的に装置の調整が必要になります。それ以外に、その獲得された顎位で、補綴治療、歯列矯正治療、また、リシェイピング(形態再付与)と言った治療方法があります。最終的に獲得された顎位で、患者さんと共に治療方針を考え、患者さんが納得した上で治療に望むことが重要になります。
上記の方法を含んで丸山咬合療法における治療法としては、
① 咬合修正治療
② 咬合是正治療
③ 咬合矯正治療
④ 咬合構成治療
と様々な治療法があります。①の咬合修正治療は、下顎の位置がズレる原因になっているところを修正(リシェイピング)する方法です。治療期間は短期ですがこの治療は限界がありますので、治らなければ是正治療に移行する必要があります。②の咬合是正治療は、上記の通り下顎を正しい位置に治療する根本的な治療です。治療期間は6~8ヶ月を目安にしています。③の咬合矯正治療は、下顎が正しい位置で歯列矯正を行うことです。治療期間は歯列矯正の期間が状態によって変わるので先生と相談の上患者さんにはご説明下さい。④の咬合構成治療は、咬合是正治療によって獲得された下顎の位置において全顎的に補綴治療を行うことです。治療期間は下顎の位置が決定してからできるだけ早く仕上げてあげることが必要です。

また、顎の位置のズレを正す事により脳の活動が効率化されそれによって身体が健康になると言う研究結果が発表されています。下顎の位置を正すことにより、全身では姿勢が改善し筋肉の硬直が無くなり筋肉のバランスが良くなります。また脳に対しては脳への血流が良くなります。脳への血流が良くなると脳に酸素が豊富に送り込まれることが出来るようになります。それによって前頭連合野の効率化が起こり、脳内ホルモンの分泌も正常化されます。

脳の中では、1つは前頭連合野に影響を及ぼすと言われ、もう1つは大脳の運動連合野と小脳に影響を及ぼすと言われています。ズレている下顎の位置を是正すると対社会的活動能力(社交性や人間を豊かにしたりする能力)をつかさどる前頭連合野の活動が効率的になり、それによって脳全体が無駄な働きをする必要がなくなります。そのため、脳は若返ると言われています。また、ズレている下顎の位置を正すと全身のバランスをつかさどる大脳の運動連合野と運動補正に関与する小脳が働かなくても良くなる(効率的になる)と言われています。その後是正された下顎の位置を確保し続けると、脳内の運動連合野における新しいネットワークを作り始めます。これによって老人の身体の周囲の感覚を感じながらの手足の運動も良くなると最新の研究では言われています。

このように、下顎の位置を是正することは脳の活動によい影響を及ぼすため、下顎の位置がズレていると脳に対して悪影響を及ぼしていることになります。

全身健康について体験を受けようかどうしようか、という患者さんには、下記のようにご説明して下さい。
『顎の位置のズレを正すことにより様々な症状が消失、改善する可能性が考えられます。一度ご自分の身体で感じてみてはいかがでしょうか。詳しい内容に関しては当院の治療コンサルタント、カウンセラー(または院長先生)がお話させて頂きます。お気軽にご相談下さい。また、体験に関しましては、当院で行っておりますので一度受けられてはいかがでしょうか。この体験であなたの人生が変わるかもしれません。』
咀嚼 (正しい咀嚼とは)
正しい咀嚼とは?

咀嚼とは、「口の中で食べ物をよくかみ砕き味わい、消化を助けること」です。では、咀嚼とはどのように行われているのでしょうか。
たとえば、ビーフステーキを美味しく味わい、消化されやすいようにすることを考えてみましょう。お皿の上にはビーフステーキが載っています。
それを食べる時は、まずフォークでビーフステーキを押さえて動かないように固定します(把持)
それから、食べやすいサイズに、まずナイフで縦に切り、ついで、横に切ってサイコロ状にします(縦剪断と横剪断)
ついで、押しつぶします。これによって、ビーフステーキの中から肉汁が押し出されます(圧断)
さらに、それをすり潰すことにより肉が細かくなり、肉汁が押し出されます(縦臼摩と横臼摩)
口の中では、この肉汁と唾液が混ざって、それを舌にある味雷の味覚神経が感じて、美味しく味わう事が出来ます。

お皿の上ではこのようにしてビーフステーキを美味しく味わう事ができますが、この一連の動きが口の中ではどのように行われているのでしょうか。

口の中にビーフステーキを入れて右側でかむとします。まず口の中にビーフステーキを入れて食べようとします。その時、まず食べようとする右側に入れて右の上下の歯の間で挟みます(把持)。お皿の上で行われているフォークで押さえる事はお口の中では上下の奥歯の外側の山の部分で行われます。特に上の奥歯の外側の山を横から見るとギザギザしたフォークのようになっている部分でステーキ肉を押える事になります。
次にそのビーフステーキを縦に横に切るわけですが、お口の中では、右で食べようとした時、上の歯のかむ面の斜面に沿って下顎は右斜め後ろからかんできます。それによって縦切り、横切りは同時に行われます(縦剪断、横剪断)
その後、下の歯の山の頂上で上の歯の谷の部分に肉を押し付け、肉汁を押し出します(圧断)
そこからまたお口を開く動作になりますが、右側でかんでいる場合にお口を開く際、下顎は左斜め後ろに開きます。その時上の歯と下の歯の間に挟まれた肉は歯の内側の斜面によってすり潰されるようになりお肉のうま味を引き出します(臼磨)
それを舌にある味雷が感じて美味しく味わう事が出来ます。お皿の上でビーフステーキを美味しく味わうことが出来るようにする事が、お口の中では一回の動作で行われる訳です。それだけ咀嚼と言う動作(咀嚼運動)はすばらしいものなのです。

正しくない咀嚼とは?

歯の形が悪く、かむ面が磨り減って平らだったらどうでしょう。縦切り、横切りは出来ず、圧断は出来ますが臼磨も出来ません。お皿の上ではステーキ肉をトントン叩いているだけになります。それではステーキ肉を美味しく味わうことは出来ないでしょう。歯の形や並びが悪いと(口腔形態が悪いと)正しい咀嚼は出来なくなります。

症例1、正常咬合における咀嚼運動   症例2、臼歯部交叉咬合における咀嚼運動
丸山剛郎著 『咬合と全身の健康』より(図1-1、図1-2)

正しく咀嚼できないとどのような問題が生じるかを理解しましょう。
 ① グルメにはなれません(美味しく味わうことが出来ません)
 ② 胃腸が悪くなります
 ③ 太ってきます
 ④ 入れ歯が痛くてかめない
 ⑤ せっかく入れたインプラントがかめないだけでなくグラグラになる
 ⑥ 精神的に抑鬱傾向なります
 ⑦ 全身的な愁訴が増えてくる
 ⑧ 顎関節症になる
 ⑨ 歯周組織が破壊される
 ⑩ 歯の異常咬耗がおこる
など様々な問題が起こってきます。

正しい咀嚼が出来ることが大変重要だと理解できることでしょう。
しかし、正しく咀嚼運動が出来ているかどうかを診断できる先生は、まだまだ全国でも300人もいないでしょう。
なぜかと言うと、今までは限界運動しか考えていなかったからです。限界運動とは、例えば、歯科医院で詰め物をする際によく行われるように、「カチカチ、ギシギシして下さい」と言う運動が限界運動になります。すなわち、現在ある歯の面に沿ってかんでいる状態から顎を前に出し、横に動かしその運動を確認している訳ですが、日常生活でそのような顎の動きを行って物をかんでいる事はあるのでしょうか。限界運動と咀嚼運動とはまったく異なります。ガムをかんでいる時の顎の動きを考えてみれば理解できるのではないでしょうか。そのような限界運動を食事の際に行っていることはまずありません。
しかし、今までの歯科診療では、限界運動しか理解されていませんでした。そのため、他の歯科医院で作られたものは限界運動で作られています。それで実際の食事が美味しく行えるのでしょうか。やはり咀嚼運動を理解していないと美味しく味わえるものを作ることは出来ません。

咀嚼運動については、顎の動きをセンサーで感知し解析するシロナソアナライザーシステムという機械を用いることにより診断することが出来ます。この機械もまだ全国に300台程しか普及していません。
咀嚼運動
咀嚼運動の記録ならびに分析から、顎偏位を直接的に診査・診断することはできないが、咀嚼運動の異常パターンを診査し、その原因である咬合異常が明らかにされることによって、その咬合異常が顎偏位の原因であることが診断されることになる。たとえば、咀嚼パターンの前頭面、水平面における左右非対称性から、両側歯列弓の非対称性が診断され、その非対称性から下顎の側方的偏位が診断されることになる。あるいは、咀嚼パターンの矢状面における前後的幅のない狭窄された垂直的パターンから、下顎の前後的偏位が診断されることになる。
バイトスティック法
種々の診査に基づき、正しいと診断された顎位へ、TM式バイトスティックを用いて、下顎位の是正、片側挙上、両側挙上、側方移動、前後移動、回転(クロックワイズ:時計回り方向、またはアンチクロックワイズ:反時計回り方向)などを行う。そして下記の現象の把握を行い、その顎位の妥当性を評価する。

(1) 顔貌、姿勢などの偏位の修正をみる
(2) 不定愁訴の改善をみる
(3) 筋触診における疼痛の改善をみる
(4) アプライド・キネジオロジーを用い、正当性を検証する。

このような顎位の是正のために考案したのが、TM式バイトスティックである。
発語運動
発語の記録をシロナソグラフやバイオパックなどにより行う場合、そのセンサー(アンテナとか、ヘッドギヤーとよばれる)の位置づけやマグネットの付着には細心の注意を要する。
発語運動記録から発語運動域の前後的・側方的・上下的位置、さらに発語運動域の傾斜を分析することによって、下顎の3次元的偏移を診断する。
なお、この発語運動の診査・診断の方法は、単に下顎偏移を診査・診断するためにのみ用いられるのではなく、咬頭嵌合位や中心咬合位の分析と同様に、顎偏位の診査・診断を行った後、マンディブラーポジショニングアプラインスにより、是正顎位の安定をはかるわけであるが、その是正された顎位が安定したか、あるいはまだ十分に安定していないかを、診査・診断するのに用いられる。
脳に対する丸山咬合医療の効果
丸山咬合療法は、身体の姿勢や状態をよくすることによって、脳によい影響を与え、そして、良好になった脳が免疫系を含めた身体にも好影響を与える、というメカニズムになっているのではないか。だとすると、不定愁訴や腰痛、肩こり、内臓の不調の改善以外にも、癌を初めとする免疫関係のさまざまな疾患も効果があるだろうし、さらには、思考力や集中力、記憶力などの脳力の改善にも効果があるはずである。このような考察のもと、元北海道大学医学研究科高次脳機能学講座教授で世界的な脳科学者である澤口俊之先生と丸山名誉教授との共同研究が行われています。その一部として、全身健康咬合を与える前後で脳活動にどのような変化が起きるかをファンクショナルMRIで調べ、次の結果が得られました。

1.前頭連合野の能力の改善
  前頭連合野の機能・能力(人間性知性・超知性)
 
  ⅰ.将来に向けた展望・夢(未来志向性)、計画性
  ⅱ.高度な思考力、問題解決能力、一般知能(IQg)
  ⅲ.理性(感情の制御)、自己制御、心の推測
  ⅳ.主体性、独創性、創造性
  ⅴ.好奇心、探究心、意志力、集中力
 
2.脳老化の改善(脳の若返り)
 
3.前頭眼窩皮質と脳幹の活動の上昇によって免疫系・感情系の改善
 
4.身体の健康へつながります
  うつ病などの精神疾患の予防・改善へつながります
 
5小脳の不活性化による筋の緊張の緩和、姿勢の改善
 
6運動連合野においては、是正直後に不活性化が起こり、長期的には活性化が起きる
MFA(マンディブラー・フィックシング・アプライアンス)
MFA(マンディブラー・フィックシング・アプライアンス) 全身の健康のためのかみ合わせ治療にあたり、正しく診査・診断し、その結果にもとづいて、よいあごの位置を得るために装置が必要です。従来のバイトプレーンやスプリントでは不可能であり、このズレたあごの位置を是正・安定・保持するための特別の装置をMFAといいます。
私は、私が考案したこの装置を、MPA(前述のマンディブラー・ポジショニング・アプライアンスは下あごを正しい位置に位置づける装置)と名づけました。この装置は、その後、治療効果を高めるため、MFA(マンディブラー・フィクシング・アプライアンス)という装置を考案し、使用しています。このMFAは透明のアクリル樹脂製で、脱着可能、厚さが約2~3mm、日常会話はやや不便ですがそれほど違和感はありません。
このMFAの製作は、どんな歯科技工士でもできるという単純なものではありません。 私の理論・技術を正しく学んでいる人にのみ製作可能であり、正しい治療効果が得られます。別名の擬似のものが使用されているようですが治療効果は得られていません。このMFAによる顎位の是正のための装着期間は、当初3ヶ月は可能な限り常時、以降はだんだん装着時間は減らしていきます。 通常は6ヶ月で顎位の是正と安定が得られ、症状の軽減・消失が得られます。あごのずれの程度やずれていた期間の長さによって異なってきます。また、患者さんの年齢によっても影響され、若年者ほど短期間で、安定・保持が得られやすいのです。 このMFAはあごはズレた元の位置に戻ろうとして、MFAをくるわせてしまうので毎月1回くらいの調整が必要となります。そして、非常に重要なことはこの調整が非常にむずかしいもので、技術と経験を必要とします。
さらに、患者さんの治そうという気持ちも大きな影響をもちます。すなわち、MFA装着時間や、たえず、正しいあごの位置を意識し、その位置へもっていこうとする心がけなど、学習効果も大いに影響をもたらすものです。

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